4月「第75回 報徳塾」ご報告
天道と人道(四月十六日)
「翁曰はく、夫(それ)人道は人造なり。されば自然に行はるる所の天理とは格別なり。 天理とは、春は生じ秋は枯れ、 火は燥(かわ)けるに付き、 水は低きに流る、昼夜運動して万古易(かは)らざる、これなり。人道は日々夜々人力を尽し、保護して成る。故に天道の自然に任すれば、忽ちに廃(すた)れて行はれず」
人道はたゆまず努力をしなければすたれるものである。いかにして天道の中に人道を打ち立てるのか。
いもこじ会には初めての方も来て、皆さまのご意見交わされました。
「今『こっそりごっそりまちを変えよう』(三浦丈典)という本を読んでいます。バリアフリーのスロープを作りたいとしても、もしもそこに長く生えている木があったら、それは果たして切り倒していいのだろうか?というように、今あるものをなんでも壊すのではなくどう共生するのか、と言ったないようで、今日の内容とすごく共鳴すると思いました。」
「宮沢賢治の『狼森(おいのもり)と笊森(ざるもり)、盗森(ぬすともり)』という童話があります。ある百姓たちが家族連れて森のそばに来て、そこで生活を始めます。その時『ここに畑起こしてもいいかあ』『家立ててもいいかあ』『すこし木貰ってもいいかあ』と森にお伺いをたてるのです。もっと昔にはそのように自然と人間は対立することなく、尊重しながら共生していたのでしょう。そこにどこからか『所有』という価値観が入ってきて、どんどん自分の都合で土地の意見などお構いなしに権利を主張するようになりました。そこで天道の中にあるべき人道が、対立するかのようになりました。しかし空気がなければ、日が差さなければたちまち生きることができなくなるのが私たち。自分たちの誠の大道にたちかえって命に配意を払うことが大切だと思います。」
次回活動お知らせ
◆76回「報徳塾」
日 時 平成28年6月18日(土曜日) 午後1時30分~4時30分
会 場 富岡八幡宮 婚儀殿 菊の間(一階)
会 費 千円(お菓子つき)
◆114回「定期講演会」
日時:平成28年7月3日(日曜日)午後1:30~4:30(受付 午後1:00)
講師:茂木弘道先生 「史実を世界に発信する会」事務局長
「歴史戦に勝つ!」
会場:靖国会館「偕行の間」 靖国神社内 電話03-3261-8042
参加費 1,500円(学生 500円)3月13日(日)13:30~
終了後直会(懇親会)もございます。
お申込み・お問い合わせ houtoku_kai@yahoo.co.jp