第113回定期講演会 高山正之先生
3月13日靖国会館で行われた高山正之先生の講演の内容を掲載します。実際はもっと広い内容にふれていたのですが、要約させていただきました。お越しくださいました皆様ありがとうございました。高山先生は文章だけ書くと過激に読めるかもしれませんが、語り口は柔和なので、実際に聞いたほうがニュアンスが伝わる課と思いました。
「南沙諸島は通称ヒラタアイランドと言い、その名の通り平田さんが台湾にいた時に発見した。第一次大戦の後くらいのことである。 この海域はフィリピンもベトナム、複数の国が入り、海の入会地(いりあいち)だった。 放置して誰も何もしないならば元の持ち主に返すべきだ。それを日本に、と言うのが叶わないとしても、せめて台湾のものだ。 ところが、習近平は2000年前から自分たちのものだと言う。 歴史的に見ても、中国はそもそも当事者ではない 今回の題目、アメリカが悪い、って言われても、多くの人はピンと来ないかもしれない。 アメリカは見た目良いように見せることがうまい。 彼らの本性は隠されているのだ。 ではアメリカ人の正体とは何か。 トランプが良い例である。 アメリカ人はワスプ(waspホワイト・アングロサクソン・プロテスタントの略で初期の入植者の子孫を指す。)である。 いわゆる、金髪で青い目の白人のことだ。 白鯨を書いたハーマン・メルヴィルの口ぶりは「我々は現在のイスラエル、さすらい人だ」と示している。 エジプトに負けてカナンの地に40年さまよい、ある土地にたどり着いた。 そこには、ペリシテ人(パレスチナ)や、その他にも数ある民族(ナンバース)がいた。 神は「彼らを(一緒に住むのではなく)殺して、家畜を略奪しろ、男の兵士は殺せ、その子も殺せ。男を知った女も殺せ(種を宿しているかもしれない)。男を知らない女はお前たちにやる」と言ったと旧約聖書に書いてある 計算上、一人に四人の女がいたことになる。 戦争は略奪、殺戮、強姦である。 アメリカをカナンの地に見たて、先住民と共存しない生き方を示した。 「生かして共存しようなどと考えるな、慈悲は与えるな」 その姿勢でアメリカ人は持ってインディアンたちに接した。 殺されたネイティブアメリカンは300万人と言われているが、 実際には1800万はいたのではないかと推測される。 インディアンを殺してもいい、という特権を与えられ、実行した。 これをマニュフェスト・ディスティ二ーと言う。 「神の言うとおりにやった。」これをフロンティア精神と呼ぶべきだろうか。 「頭の皮を剥ぐ」ということがインディアン映画に登場する。 ネイティブの部族同士を戦わせ、その戦利品として頭の皮を剥いで持って来させた。 映画では、ネイティブアメリカンにそういう風習があったかのように描いているが、 先に始めたのは白人である。 互いを戦わせ、最後に残ったダコタ族、スー族はアメリカ人自ら滅ぼした。 (同じ方法で中国をたきつけ、日中戦争を仕掛けた) サンドクリークの大虐殺、アルゼンチンの近代化政策での先住民インディオ撲滅、オーストラリアでもハワイでも、有色人種を平然と殺してきた。そして死者に敬意を払わない。 似たようなことをナチスドイツは行ったが、それには文句を言う。 どうしてアメリカは許され、ドイツだとはダメなのか。 我々はそれをおかしいと感じるが、今も現実にそうなのだ。 すぐに終わると米英が見込んだ戦争は四年も続いた。日本は戦域を拡大し過ぎた、と言われるが、その四年があったからこそ、白人支配の世界秩序は突き崩された。 白人に支配された経験しかなかった植民地で、猛然と戦い、勝利する日本人を見た。 その後、ビルマは独立。インドもタイもベトナムも。生の日本人を見た、 世界に日本人を見せたことが植民地支配を終わらせる大きなうねりになった。 アメリカの大統領選 では、若い人がただ学費が高いとかいう理由で、サンダースに賛成している。 もう若い人が働いてチャンスをつかむ意欲ないように見える。 中産階級の人が抱いていた夢、大きい車と家にプールがあるという状況はもはや終わりつつある。 年八万ドルあれば人並みの生活ができていたが、今の中産階級の収入は五万ドルである。 いわゆるワスプたちは、それでトランプ氏を支持している。本来得るべき繁栄を奪っているのは、メキシコ移民や中国や日本だと言うのだ。」
懇親会でも、イスラム国の人質事件の裏話などお聞きしました。
私は二週間ほど前に、実際に観た映画で、インディアンが頭の皮を剥ぐというのがあって、それがどちらかと言うとネイティブに好意的なつもりで作られていた映画でもそのように描かれていたので、「これは果たして本当なのだろうか」と疑問を持ったところで、その解答を得ることができました。白人がどのような価値観を持っていてそれらの行為を行って来たのかを知ることができました。